**No.10**

あたしはそのばで泣き崩れてしまった。

きっと・・きっとその言葉が欲しかったんだろう。

あたしが泣いてる間、裕二はあたしを抱きしめてくれた。

あたしは今まであった事を全部言った。

と言うより口から次から次へと言葉が出てきた。

どうしてこんな事になったのか、駿の事や今までされた事。

言い終って、しばらくしてあたしが泣き止むと、裕二はこう言った。

「なぁ、千紗。俺と付き合ってる事にしよーぜ。」

「な・・なんで?」あたしは少ししゃくりながら言った。

「多分そうしたらあいつらも手が出せないんじゃねェ?」

「・・・」

この時あたしは駿のことを思い出した。

前は駿があたしに同じような言葉をかけてくれたっけ・・・

でも・・・・その後に裏切られた・・・

裕二を信じるのが怖かった。

また同じような事になるのが恐ろしかった。

裕二も駿と同じでただ由梨と接触する機会が欲しくてあたしにこんな事を言

ってるんじゃ・・・

「大丈夫。信じろって。」

不信感が顔に出ていたのか、裕二はこういった。

「うん・・・」

「よしっ。じゃ決まりな。」

そう言うと裕二はあたしを連れて教室に戻った。

そして、由梨達の近くにいくと「俺ら付き合うことになったから。」と言っ

た。

由梨は信じられないという気持ち丸出しの顔をして「は?マジ?」と言った。

「だってまだ会ってあんまし経ってないじゃん。」

「朝一緒学校きたぜ。」そう言うと裕二はあたしの手を引っ張って席に行っ

た。

由梨がキレてる顔を見て不安そうな顔をしていたあたしに「大丈夫だって。」

と言って優しく笑った。  **続く**





































































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